2005年4月17日放送 ☆
バーバー作曲
弦楽のためのアダージョ
指揮:レナード・バーンスタイン
演奏:ニューヨーク・フィルハーモニック
1971月1月 スタジオ録音
この曲は,私の番組が始まって2回目の放送時にかけた曲である。
この放送日には,ゲストとして鈴木真由美さんに来ていただいたのであるが,彼女のリクエストとしてかけたものである。
鈴木さんは,高校の時の同級生で,大学も同じという(学部は彼女は教育学部,私は農学部)縁で,番組最初のゲストとしてお招きした。
あれから3年以上経過したが,当時のゲストの方々は,慣れないパーソナリティの進行に苦労したのではないかと考えると,今さらながら申し訳ない気持ちでいっぱいである。
さて,話を戻すが,その鈴木さんの大好きな曲ということで,バーバーの弦楽のためのアダージョを取り上げたのであるが,当時の評価はご覧のとおり☆1つであったが,改めて聴くと☆3つといったところであり,曲の良さ及び演奏の良さが際だっているCDである。
そもそもこの曲は弦楽四重奏の曲であり,本来であればオリジナルで聴くのが良いかもしれないが,このCDを聴く限り素晴らしい演奏であることから,それにこだわる必要はないかと思う。
この曲は,バーバーがイタリアに音楽留学していたときに書かれた作品で,弦楽四重奏曲第1番の第2楽章が編曲され,通称「弦楽のためのアダージョ」となった。
特に,中間部終わりの激しくそして突き上げる慟哭のようなフレーズが有名であり,様々な場面でこの曲が使われている。
例を挙げると,映画では「プラトーン」や「エレファント・マン」など,ドラマでは「冬のソナタ」や「華麗なる一族」など,その他にJFKことケネディ大統領の葬儀などでも使用されているが,作曲のバーバーが亡くなった際に追悼の意を込めて,ニューヨーク・フィルハーモニックの定期演奏会で取り上げたのが,バーンスタインでもあった。
さて,この演奏であるが,ニューヨーク時代のバーンスタインのスタイルが前面に出ている演奏であり,劇的な演奏となっている。
晩年のバーンスタインのスタイルよりもむしろニューヨーク時代の方が,この曲については合うような気がする(この曲についてはニューヨーク・フィルハーモニックとの録音しか残っていない)。
クラシック音楽の楽しみのひとつに,同音異演,つまり同じ音楽を様々な演奏で楽しむというものがあるが,この曲についてはこの演奏以外は必要ないという数少ない曲そして演奏と言っても過言ではないであろう。