クラシックにくびったけ  
     

C・サン=サーンス
 

交響曲第3番ハ短調作品78「オルガン付き」

【特選】
  オルガン:マリー=クレール・アラン
  指揮:ジャン・マルティノン
  演奏:フランス国立放送管弦楽団
  録音:1970年

【推薦①】
  オルガン:マルセル・デュプレ
  指揮:ポール・パレー
  演奏:デトロイト交響楽団
  録音:1957年

【推薦②】
  オルガン:マイケル・マレイ
  指揮:ユージン・オーマンディ
  演奏:フィラデルフィア管弦楽団
  録音:1980年

【推薦③】
  オルガン:ピーター・ハーフォード
  指揮:シャルル・デュトワ
  演奏:モントリオール交響楽団
  録音:1982年

【推薦④】
  オルガン:ベルイ・ザムコヒアン
  指揮:シャルル・ミュンシュ
  演奏:ボストン交響楽団
  録音:1959年

【解説】
 この曲は,サン=サーンスの番号つきの交響曲としては3番目,番号なしを含めれば(2曲の未完成作品を除く)5番目の交響曲です。
 この作品の作曲について,サン=サーンスは「この曲には私が注ぎ込める全てを注ぎ込んだ」と述べており,彼自身の名人芸的なピアノの楽句、華麗な管弦楽書法,副題にもあります教会のパイプオルガンの響きが盛り込まれております。
 この交響曲は,一見,通常の4楽章形式のようですが,通常の意味での各楽章はそれぞれ結合されており(それぞれを「楽章」と呼ばず、「第1部・第2部」としている),これら2つの部分が実質的に1つの楽章として機能するため、2つの楽章に圧縮されていると言うことができます。

【推薦盤】
 さて,この曲自体は,私自身はあまりCDを持っておりません。
 最近は結構聴いている方の曲なのですけれど,昔はあまり好きではなかったことが影響しているのかもしれません。
 その中でも特選盤を1枚選ぶとすれば,マルティノン=フランス国立放送管の旧盤(70年録音)が好きです。
 アランのオルガンが良いって訳ではないのですが,5年後の録音よりも演奏自体がいいと思います。

 渋さでセレクトするのであれば,パレー=デトロイト響(57年録音)の演奏が良いです。
 マーキュリーの録音は,どれを取ってもそうですが当時としては驚異的で,この曲は,楽器の構成上,録音も重視される曲だと思います。

  その点,私の嫌いな指揮者ではありますが,オーマンディ=フィラデルフィア管(80年録音)の録音は素晴らしいです。
 この演奏はLPで持っているのですが,テラークの優秀な録音が印象的で,当時,同じテラークのチャイコフスキーの序曲「1812年(カンゼル=シンシナティ響)」と並んで優秀な録音としては伝説にもなっております。
 決して長くない曲なのに,LPの両面を使用してのカッティングでした。

 録音の良さに加え,演奏的にも優れているものとしては,デュトワ=モントリオール響(82年録音)を挙げたいと思います。
 デュトワのフランス物はどれをとっても安心して聴くことができます。

  ミュンシュ=ボストン響(59年録音)の演奏は,演奏自体は素晴らしく,ミュンシュらしさが出ているのですが,録音が若干渋い感じがします。