【解説】
ムソルグスキーは,「展覧会の絵」によりその名が知られていますが,作曲した作品数は多くなく,管弦楽曲としての作品はほとんど残しておりませんが,その中でも唯一有名なのが,交響詩「はげ山の一夜」です。
この曲は様々な変遷を経て,現在の形となりました。
最初は未完のオペラ「サランボー」において,「巫女たちの合唱」の場面でモチーフが登場し,そのオペラにおいて原曲が登場したところから始まります。
次に,ムソルグスキー本人が作曲をした,いわゆる原典版と呼ばれるものですが,これはピアノ曲である「聖ヨハネ祭前夜の禿山」を管弦楽曲へ編曲したものです。
次に,ムソルグスキー晩年の未完のオペラ「ソローチンツィの市」の合唱曲「若者の夢」として,この「禿山の一夜」が用いられております。
そして最後に,R=コルサコフが編曲した,一番親しまれているバージョンで,このような4回の作曲・編曲の変遷を経ております。
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