【解説】
この曲は,そもそもラヴェルのアメリカ演奏旅行のために構想されましたが,別の曲に差し替えらました。
その後,「バスク狂詩曲」として構想,作曲を着手しましたが,「喜遊曲」という標題にする予定が,最終的には協奏曲になったという経緯を持っております。
ちなみに「バスク」とは,ラヴェルの母の出身地であります。
ラヴェルはピアノ協奏曲を2曲(もう1曲は左手のためのピアノ協奏曲)書いておりますが,この曲は作曲活動の最晩年の曲で,ラヴェルの完成した作品のうち最後から2番目の曲となりました(完成した最後の作品は歌曲集「ドゥルシネア姫に心を寄せるドン・キホーテ」)。
内容は,古典主義的な様式を取りつつも,民族的要素やジャズの要素など様々な新たな要素を入れております。
曲は3楽章形式で書かれており,第1楽章はソナタ形式で,「バスク狂詩曲」に由来する民族的雰囲気を持っております。
第2楽章は三部形式で,ピアノ独奏がスペイン風を思い浮かべるような旋律と,両手が交差するようなリズムが特徴です。
第3楽章は自由な形式で書かれており,ここでも「バスク狂詩曲」の影響が出ており,全曲通じて非常にリズミカルな曲調となっております。
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