【解説】
ローマ三部作は,言うまでもなく「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭り」の3つの交響詩を指す,レスピーギの代表作であります。
「ローマの松」は,ローマ三部作の中では最も人気の高い作品となっており,「ローマの噴水」「ローマの祭り」同様に4つの部分によって構成され,各部分において異なった松と場所・時間を表現し,レスピーギは自身の得意としていた色彩的なオーケストレーションを用いて描写しています。
レスピーギはこの曲で,単に松を描こうとしたわけではなく,松という自然を通じて,古代ローマへ眼を向け,ローマの幻影に迫ろうという意図を持っていたとされており,そのためこの曲には,グレゴリオ聖歌などの古い教会旋法が好んで使用されております。
なお,4つの松とは,「ボルゲーゼ荘の松」「カタコンベ近くの松」「ジャニコロの松」「アッピア街道の松」です。
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