クラシックにくびったけ  
     

R・シュトラウス
 
交響詩「英雄の生涯」作品40

【特選】
  指揮:ウィレム・メンゲルベルク
  演奏:アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
  録音:1941年

【推薦①】
  指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
  演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1985年

【推薦②】
  指揮:ズービン・メータ
  演奏:ロスアンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1968年

【推薦③】
  指揮:ゲオルグ・ショルティ
  演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1978年

【推薦④】
  指揮:クレメンス・クラウス
  演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1952年


【解説】
 
 交響詩「英雄の生涯」についてはR・シュトラウスが作曲した最後の交響詩です。

  副題に,「大管弦楽のための交響詩」とあり,演奏には100名以上のオーケストラが必要とされ,技術的にも演奏が非常に難しい曲で,オーケストラの実力が試される曲の1つでもあります。

  曲は6つの部分で構成されており(とはいうもののスコアには標記がされていない),順に「英雄」,「英雄の敵」,「英雄の伴侶」,「英雄の戦場」,「英雄の業績」,「英雄の隠遁と完成」となっております。

  この曲は,ベートーヴェンの英雄交響曲を強く意識したもので,R・シュトラウス自身も「英雄の生涯」と名付ける前には「エロイカ」と呼んでおり,曲の中にも英雄交響曲からのフレーズが断片的に使用されております。

  なお,この「英雄の生涯」はシュトラウス自身の生涯という説もあり,もしそうだとした場合,自分を「英雄」と称すとは,R・シュトラウスの自分に対する自信を感じます・・・(でも変ですね・・・)。

 

【推薦盤】

 交響詩「英雄の生涯」は私にとって思い入れのある,最初に聴いた演奏を薦めたいです。
 録音が古いのですが,メンゲルベルク=コンセルトヘボウ管の41年盤です。
 R・シュトラウスからこの曲を献呈されているメンゲルベルクですが,彼自身も相当にこの曲を気に入っていたようで,古くは28年にもニューヨーク・フィルとの録音も残っております。
 演奏内容は,メンゲルベルクらしい非常に濃いヒーロー像を描いており,録音以外の点では最高の演奏内容となっております。
 この曲は,オーケストラとしても難曲であるため,録音の優秀な演奏も,演奏の優劣にも影響してくると思います。

  演奏,録音とも申し分ないのが,カラヤン=ベルリン・フィルの85年盤です。
 とにかく録音については申し分なく,さらにスーパー・オーケストラでありますベルリン・フィルが素晴らしいの一言。
 英雄=カラヤンの方がピッタリくるかもしれません。

 次に,メータ=ロスアンジェルス・フィル(68年録音)もお薦めしましょう。
 昔のメータの良いところが出た演奏と言えましょう,交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」と同様に。
 テンポ設定が非常に良い演奏と言えます。

 ショルティ=ウィーン・フィルの演奏もパワー溢れる演奏で好感が持てます。
 それにしても,推薦盤が私の嫌いなカラヤン,メータ,ショルティとは・・・。
 R・シュトラウスとの私の相性が悪いのですかね・・・。

 最後に,モノラル録音から,これまでも相性の良さを指摘してきましたクラウス=ウィーン・フィル(52年録音)です。
 どうしても,R・シュトラウスを語るときには外すことのできない指揮者のクラウスですが,ここでも見本的な演奏を披露しております。

 その他の推薦盤として,ライナー=シカゴ響の疾風怒濤の演奏をお薦めしましょう。