『韓国文化日報にて・・・』
先日,旭川の観光を売り込むためのプロモーションを実施するため,韓国に8日間滞在した。
韓国の友人でもあり,仕事でもお世話になっている方から,「そう言えば,昨年韓国に仕事で来られたときにマスコミ各社へ表敬訪問したときのことが,韓国の新聞に載っていた」と教えられた。
そのマスコミとは韓国の文化日報という新聞で,最初は観光PR団が日本の旭川市から来たという,お知らせ記事かと思いきや,コラム(社説)で取り上げられていたのである。
ちょっと面白い記事(一部事実と違うところもあるにはあるのだが・・・事前のアポは取っていたが突然の訪問となっているところです)なので,その記事の翻訳を掲載したい。
この前,事務室に一団の日本人が尋ねて来た。
社団法人ふらの観光協会の黒岩岳雄会長,社団法人層雲峡観光協会の中島慎一事務局次長と旭川市経済観光部観光課浅利豪主査だった。北海道観光事業関連の官民人士だ。
彼らは事前の約束もなく突然来たが,日本特有の礼儀と格式は忘れなかった。先に90度に腰を折ってあいさつし,突然尋ねて来たことに了解を求めた。それぞれ餠,和菓子など,きれいな日本の食べ物も一つずつ持って来た。
尋ねて来た理由を聞いたら北海道観光にたくさん来てほしいとお願いをするためだと言う。こんな風に韓国のすべてのメディア会社をみんな訪れているのかと問うと,彼らは「旭川市を訪問したことがある記者が働いている新聞社を回っている」と本社の誰誰記者の名前をあげた。彼がいつどんな取材をして,どんな記事が出たと詳らかな記録まで覚えていた。彼らは旭川市動物園が透明な水槽の下に観覧客通路を用意,ホッキョクグマがえさを求めて水中に跳びこむ場面をいきいきと観察できるなど北海道の名所を紹介した。
このように地方公務員と観光協会が一緒に海外市場に効率的な攻勢をかけるのを見て,日本の力の源泉が何なのか見当をつけることができた。
日本に関するもう一つのエピソードがある。10余年前,フランス・パリのある文化セミナーからだ。コーヒーブレーク時間に韓国をよく知って射るフランス人が「韓半島がどうして統一ができないと思うか」ときいた。「よく分からない」といったら,「世界で一番力が強い国はどこか」と話題を変えた。「アメリカ」と答えると,彼は「アメリカを弄ぶ国が一つあるが分かるのか」といいう。「北朝鮮」と返事して一緒に笑った。
彼は引き続き「アメリカの次に力が強い国はどこか」ときいた。彼がフランス人なので「フランス?」とおせじをいった後「ドイツ?ロシア?中国?…」などを列挙したら,彼は「日本」とぽつんといい,日本の国民総生産がヨーロッパ連合(EU)全体と並ぶ数値をあげて説明した。続けて「日本をみくびっている国が一つあるがどの国なのか分かるのか」と問うので「南韓」と返事してまた一緒に笑った。彼は「世界第1のパワーであるアメリカを弄ぶ国と,第2のパワーをみくびっている国が統一されれば,世界情勢はどうなるのか。ステータスクオ(Statusquo・現状維持)のために,韓半島の統一は難しい」と笑いながら語った。一緒に笑いはしたが,韓国人のちょっと度がすぎた自尊心に対する刺が入っていて,あまり楽しめない冗談だった。
最近,毎年ストライキをする現代自動車に比べて58年間無争議であるトヨタ自動車を比べる記事が出た。トヨタという名前がアメリカに拒否感を与えることを憂慮,「アメリカに輸出しよう(Let's export US)」という意味の「レクサス(Lexus)」の他には何も露出しないトヨタの緻密な戦略を知って,その徹底的な実用主義に鳥肌がたった。
力の強い日本は力をもっと育てるために,このように旭川市やトヨタのように官民,労使が一緒になって,世界で一番大きいアメリカ市場を中心に各国に全方向戦略を行っている。
ところが,私たちは殺人的な高油価状況の経済危機はものともせず,宗教界まで加勢,米国産牛肉輸入に触発された反政府デモが3ヶ月間続いて,労働界は「生産に打撃を与える」と威している。最近の状況に対してある元老学者は「100年前の旧韓国末,60年前の光復後とまったく同じ状況」と言いながら「これが韓国の限界」と嘆いたが,それが杞憂だと良いのだが。
キム・スンヒョン編集局副局長