『旭川市のボランティアのはなし』
旭川市は,最近は旭山動物園の人気などで,観光都市として国内外から注目をされておりますが,「市民のボランティア活動の盛んなまち・旭川」というのはあまり知られておりません。そこで,まずは旭川市内においてボランティアをされている方々の活動について少し紹介させていただこうと思います。
まずは「観光ボランティア」ですが,現在の登録は103名で,旭川駅に隣接しております「旭川観光情報センター」や買物公園の「旭川屋観光情報センター」,さらに夏季は「道の駅あさひかわ」「旭山動物園観光情報センター」において,日々,観光客の皆さんに対して,旭川市及び周辺地域の観光案内をしております。最近は,台湾や香港,オーストラリアなどの外国人の観光客も増加していることから,外国語での案内も行っております。さらには,旭川冬まつりやこたんまつり,北海道音楽大行進などでも活躍をしていただいており,特に旭川冬まつりにおいては,その他の市民ボランティアの方々も含め,前回の実績で延べ約400人の方々にお手伝いをいただき,会場内の案内や清掃,通訳,シャッター押しなどを行い,イベントを影で大きく支えていただいております。なお,観光ボランティアの方々は旭川観光ボランティア協議会に登録をしていただいておりますが,北海道の観光ボランティア組織で一番早く設立されたのも旭川なのです。
次に,旭川市科学館で活躍していただいている「サイエンス・ボランティア」というのがあります。サイエンス・ボランティアは,主に館内の各種学習メニュー(展示機材)の横で,その解説や案内を行うもので,現在の登録は195名です。また,旭川市大雪クリスタルホール音楽堂で活躍いただいているのが「音楽堂コンサート・ボランティア」です。音楽堂コンサート・ボランティアは,大雪クリスタルホール音楽堂においてコンサートが行われる際に,クロークの管理や入場受付,音楽堂のドアの開け閉めなどを行っており,現在の登録は77名です。
その他にも,例年春に行っております石狩川旭橋河畔の清掃にも,毎年700名ものボランティアの方々に参加していただいておりますし,「旭川市社会福祉協議会ボランティア」や「旭山動物園マイスター・ボランティア」など,様々な場面でボランティアの方々に活躍をいただいております。
私事で恐縮ではありますが,私自身,地元コミュニティ放送局のFMりべーるで,毎週1回1時間の音楽番組においてボランティアでパーソナリティを務めておりますとともに,クラシック音楽イベントなども同様に,運営のお手伝いをさせていただいており,少しでも旭川市内において音楽の振興や普及にお役に立てればと努力しております。
さて,ボランティアの意味を辞書で調べますと面白いことが分かりました。国語事典では,ボランティアとは「自主的に社会事業などに参加し,無償の奉仕活動をする人」となっております。ボランティアは英語ではVolunteerと書きますが,英和辞典でこの意味を調べますと,国語事典の同意のほかに動詞として使われる時の意味に「(人が骨の折れる仕事などを)進んで行ったり,買って出ること」とあります。
そもそも,Volunteerの語源はラテン語のVolo(志願者)から来ており,現在でも志願兵という意味もあるとのことで,歴史的には十字軍の時代まで遡ることができるらしい。しかし,日本のボランティアの歴史については,古くから五人組や町内会,自治会など相互扶助の慣習(システム)があったことなどから,古くはボランティアの必要性がなかったようで,日本においてのボランティア活動の歴史は浅いですが,近年は,日本を取り巻く様々な状況(行政の財政緊縮化や核家族化などが代表的)の変化から,ボランティアの重要性や比重が非常に高まっております。