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Billy
Joel Concert in 2006年12月3日 唐突ではあるが,私が努めている旭川市役所には「ロック研究会」なるものがある。 結成されたのが2004年であるから,もう既に2年以上活動をしていることとなる。 私もこの研究会に所属しているのであるが,もっとも「研究会」と言えば聞こえはいいが,実態は月1回にロック(Rock)をネタに飲みましょうというもの。 「On The Rock研究会」と勘違いされている可能性も否定できない・・・。 最初の例会の2〜3回は音楽ネタが出たものの(しかも最初の20分程度),その後はどちらかというと(明らかに?)有志の飲み会という感じ。 ちなみに同研究会の会長は,全国的に話題になっている「旭山動物園」に勤務をするN氏(旭山動物園は市立の動物園であることから,勤務している者は市役所職員である)で,事務局を預かるのが,幹事長のS氏(秘書課在籍)。 S氏は,アマチュアバンドの現役で,ベースをやっており,活動内容が不明である「×(バツ)党」の名誉総裁の役職も持っている。 同研究会には,様々な役職があり,名誉顧問や特別顧問,さらにはヒラ顧問までいる始末・・・。 ちなみにヒラ顧問は,同研究会の出席率が非常に高いとの話。 私はと言うと,同研究会のクラシック部会長をしているが,これがどうやら会員には認められていないらしい。 特に,N会長やS幹事長は,「ロックを研究する会であるのに,クラシックは馴染まない!」などと語っており,この辺がなかなか難しい。 クラシック部会と言えば,昨年4月にこのロック研究会に強力な助っ人(むしろ私に強力な助っ人)が入った。 国際交流課の外郭団体に勤務するT氏であり,彼は音大を卒業後,国内の数々のプロオーケストラでチューバを担当し,さらには青年海外協力隊ではエジプト・カイロにおいて音楽普及に努めていたという強者である。 私の番組「くらしっくにくびったけ」にも2度出演していただいている方で,私と同い年でもある。 もちろん,クラシック部会の副部会長をやっていただいているが,やはり研究会においては認知されていない。 ロックの原点というものは何なのか? ロックとクラシックの共通点は? そんな議論もたまには研究会でして見ましょうよ,ね,N会長!S幹事長! さて,前置きが長くなってしまったが,この新コンテンツの最初を飾るのは,ビリー・ジョエル(Billy Joel)の札幌ドームコンサート。 私もクラシックを聴くばかりではなく,たまにはロックやポップスなどを聴いたりするんです,たまには。 特に大学の頃は,良く聴いたもので,自らThe Beatlesのコピーバンドのヴォーカルをしていたくらいですから。 ちなみに,このコピーバンドの名前が「The Beat Lose」。 またまた,脱線をしてしまいました。 Billy Joelは,クラシック以外ではThe Beatlesと並んで大好きなアーティストです。 Billy Joelは,幼い頃からクラシックのピアノを習っており,いつしかロックやポップスの世界に入ったものの,彼の魅力は素晴らしい旋律と,ピアノ演奏。 う〜ん,前段の「ロック研究会」の話題がつながってきました・・・。 さらに,Billy Joelのアルバム「An Innocent Man」に「This Night(邦題名:今宵はフォーエヴァー)」という曲があるのだが,この曲の原曲は,ベートーヴェンの三大ピアノ・ソナタの1つである第8番「悲愴」の第2楽章が主旋律として使われている。 であるので,カラオケでこの曲をかけると,作詞:Billy Joel,作曲:Beethovenと出るのである(ホントの話)。 うむうむ,ますます前段の「ロック研究会」の話題がつながってきました・・・。 さらに,アルバム「River Of Dreams」を発表後,活動を一度休止し,何とクラシックのピアノ曲の作曲に専念するようになり,自作のクラシック・ピアノアルバム「Fantasies & Delusions」を発表(ピアノは韓国人ピアニストのチュー・ヒョンキでウィーンにて収録)した。 ほらほら,いよいよ前段の「ロック研究会」の話題がつながってきました・・・。 その後,コンサート活動を再開し,この度の札幌ドームのコンサート開催となったのである。 私にとっては,初めてのBilly Joelのコンサートであり,コンサート前日には,明日はどの曲を取り上げるのか,などと考えを巡らせながらBilly Joelのアルバムに耳を傾けていた。 2006年12月3日,ついにその日がやってきた。 妻と友人と3人で,札幌駅から東豊線で一路福住駅まで行ったのであるが,札幌駅の東豊線乗り場が異常に混み合っていた。 乗車した人のほとんどが,終点の福住駅までで,目的は正にその日のコンサートであった。 これほどの客が毎日乗車していたら,札幌交通局も赤字に悩まないだろうなぁ,と思ったりするくらい,車内は混在をしていた(東京の満員電車並み!!)。 恥ずかしながら,北海道にいて札幌ドームに行くのは2回目。 前回は,2002年にコンサドーレ札幌VS清水エスパルスのゲームを見に行ったのであるが(当時のコンサドーレはまだJ1!),それ以来4年ぶり。 ちなみにこのゲーム,コンサドーレ恒例の逆転負け。 旭川夏まつりの土曜日に行われたゲームで,行くきっかけとなったのは,秘書課のO氏に誘われてのものであった(O氏は熱烈なコンサドーレファンであり,薫製(Smoke)のことを語らしたら旭川市役所一と一部で言われている)。 またまた脱線してしまったが,いずれにしてもコンサートとしても札幌ドームは初めてのことであった(ちなみに妻は平成15年にERIC CLAPTONのコンサートに行っているため2回目)。 会場の札幌ドームの入りは決して満員という状況ではなかったが,アリーナ席は9割,スタンド席は5〜6割程度かな。 さすがにBilly Joelらしく,豊かな年齢層の観客で,私はアリーナ席の前方右側であったが,さすがに前方といってもBilly Joelの顔までは見ることができないので,左右にある大型スクリーンに頼ることとなる。 そして,時は18時。 いよいよコンサートが開始!!! さて,今回はこれくらいにして,次回,コンサートの模様についてお届けします。 なになに,ここまで引っ張っておいて,それはないだろうって? 人間それぞれ事情ってものがあるんです。 次回をお楽しみに・・・。 |
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Billy
Joel Concert in 2006年12月3日 さて,Billy Joel(以降Billyとします)のコンサートの内容ですが,コンサート開始が18時ちょうどで,札幌ドーム内の照明が全て消え,いよいよ開始されました。 ステージの両脇に巨大なモニターがあり,Billyの顔もはっきり見えた。 正直,年を取ったなぁ・・・,というのが印象。 頭は禿げており,ひげの色も真っ白,もしかしたら声までが老いてしまってないか!と心配するほど。 結果的には,当日の曲目は何と21曲(アンコール2曲含む),時間にして122分の極上の時を過ごすことができた。 いきなり「Prelude/Angry Young
Man」から始まった! ピアノ・ロールから始まるこの曲,う〜ん,懐かしいの一言。 正に,ロング・アイランドのコンサート映像と一緒の始まり方である!! Billyの両手がモニターにアップになる。 いよいよ始まったという感じであった。 Billyの声も,心配をよそに,昔と変わらないではないか! 2曲目の最初は,いきなり「サクラサクラ」をピアノで弾き始め,ベースとドラムが聞き覚えのあるリズムと調を刻み始めた。 そう,「My Life」である。 過去のドイツでのコンサート映像では,この部分がベートーヴェンの第九だったように,日本では「サクラサクラ」であり,Billyのサービス精神が心憎い! 会場も少しずつ乗ってきた感じがあったところで,いきなり3曲目が「Honesty」。 海外以上に日本で受けた曲のせいか,前奏が始まった瞬間に,今まで座っていた人も立ち始めた。 Billyがこのころから,しきりにドームの残響を気にしている様子が見られた。 エコーにエコーがかかった様子に,歌いづらいのか分からないが,その後も気にする場面が多々あった。 そして,バラードが今度は続くか!と思いきや4曲目は何と「The
Entertainer」。 確かにシングルカットされた曲だが,ライヴではあまり聴いたことないぞ! ここで,メンバー紹介第1弾のキーボード。 おぉ,懐かしい顔ではないか!! さらに,マイナーな曲が続いた。 何と5曲目はトランペット大活躍の「Zanzibar」であった。 そして曲が終了後,メンバー紹介第2弾のトランペットで,この人は見たことがなかった(もっとも,過去のライヴ映像では,トランペットのソロを弾く場面はなかったもの・・・)。 そして次の曲(6曲目)は,サックスが活躍する名曲「New York
State Of Mind」。 「Zanzibar」でビックリした観客を,また引き戻すのであるが,やはりいい曲ですね〜,この曲は! でも,やっぱりライヴで聴いてもサビの部分が「雨のNew York
State Of Mind〜」と聞こえてしまうのは私だけでしょうか?? そしてメンバー紹介第3弾はサックスで,懐かしいプエルトリコ系の顔がアップになったが,やはり年を取ったなぁというのが印象。 7曲目は鉄骨を金槌で叩く音が印象的な「Allentown」。 昔のライヴでは,先ほどのサックスが鉄骨を叩いていたものであるが,残念ながら今回はその姿を見ることができず,別音源(コンピュータ?)を重ねたものであった。 8曲目は「Stranger」で,冒頭のピアノ・ソロが何とも言えず懐かしさを感じさせた。 ここで,ギターのメンバー紹介。 9曲目は私の大好きな曲の1つである「Just The
Way You Are」。 「素顔もままで」といった方が分かりやすいだろうか。 キーボードのイントロが,これまた「懐かしい!」の一言。 この辺でだいたい折り返し地点,コンサートもいよいよ中盤に突入の感じであった。 10曲目は「Movin’Out」であったが,まさかこの曲をやるとは思いも寄らなく,前夜の予想が見事に覆された。 ここで,パーカッションとベースのメンバー紹介があった。 パーカッションは黒人の女性であり,記憶が正しければ,アルバム「Storm
Front」から合流した,運動神経抜群,声量抜群の女性であったが,声量は変わっていなかったものの,かなり太ってしまっていて,昔のような運動神経を披露するには難しい体型となっていたのが笑えた。 11曲目の「An Innocent Man」も同様で,Billyの声質の衰えに不安を持っていたことから,この曲の高音はきついのでは??と思って,これまた予想が外れた。 この「An Innocent Man」は最高であった。 あの高音が出るとは,Billyは前々衰えていないどころか,ますます盛ん!って感じで,うれしく思う瞬間でもあった。 12曲目も予想が外れ,「えっ?この曲もやるの?」と思わせられた「Miami 2017」。 実は13曲目もそうであった。 私の一番好きなバラードである「She’s Always A Woman」がそれだ。 アルバム「Stranger」から4曲目のセレクトで,アルバムの歌い方とは若干違ったものの,大満足の選曲であった。 結局,アルバム「Stranger」から,今回のコンサートは5曲(後に紹介するScenes From Italian
Restaurant)選曲されているところを見ると,アルバム「Stranger」へのBillyの想いが伝わってくる。 14曲目は「The Downeaster “Alexa”」で,この曲は予想通りやってくれました。 ますますBilly節が全開であった。 15曲目も予想通りやってくれました「The River Of Dreams」で,アルバム「River
Of Dreams」からはこの1曲のみの選曲。 一応最新アルバム(とは言っても既に発売から10年は経過)からであるが,1曲のみの選曲と言うことは,やはり昔からのファンを対象にしたコンサートと言うことが浮き彫りになったと言えるのではないか。 さて,今回はこれぐらいにしておきましょう。 次回は16曲目からアンコールまでを紹介します。 この後,ノリノリの曲ばかりが続き,コンサートが最高潮に達したところでもあり,札幌のノリの悪さが露呈した場面でもあります。 次回,Part3をお楽しみに! |
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Billy
Joel Concert in 2006年12月3日 さて,このコンサート日記もPart3最終回を迎え,今回は全体で16曲目からの模様をお届けいたします。 16曲目はアルバム「Storm
Front」からの名曲,「We Didn’t Start The
Fire」で,この曲以降はノリノリのロックが続きました。 「We Didn’t Start The
Fire」は私の大好きな曲で,曲の内容は,1950年以降の様々な出来事や人名などを単に羅列しただけのものであるが,これがいいんです,ホント。 私が大学に入った年に出たアルバムで,その前のアルバム「The Bridge」以来,3年ぶりのアルバムであり,よく聴いたものです。 そう言えば,「The Bridge」からは1曲も選曲されていなかったなぁ,今回のコンサートでは・・・。 17曲目は,Billyがマイクを持って走り回る姿が見ることができる「Big Shot」であった。 今回も,スタンドマイクを持って,縦横無尽にステージを走り廻り,なかなかのパフォーマンスでした。 この曲,昔もよくライヴでは使われており,最後の場面でピアノの上に載っかり,ジャンプして降りて曲が終了するといったパフォーマンスが今回も見られるかなぁ,と思ったが,さすがに年を考えると無理だわ・・・。 18曲目は,邦題名「ロックンロールは最高さ」で有名な「It’s Still Rock And
Roll To Me」であった。 この曲は,Billyにとっても思い出深い曲であるはずで,シングルで全米No.1に初めて輝いた曲である。 ギターのビートのきいた曲で,アルバム「Grass Houses」からで,このアルバムからロック路線が今までとは明らかに違う形となった記念すべき曲と言っても良いであろう。 「It’s Still Rock And Roll To Me」がきたら,次はこの曲でしょう,邦題名「ガラスのニューヨーク」の「You May Be Right」。 19曲目で,ライヴ本編の最後の曲でありました。 やはりアルバム「Grass Houses」からで,最初のガラスがクラッシュする音が印象的なロックです。 この曲の頃には,会場のノリも最高潮に達していた。 さて,ライヴ本編が終了し,一度メンバーが退いた後にアンコールが始まった。 アンコール1曲目(通算20曲目)は,アルバム「Stranger」から邦題名「イタリアン・レストランで」の「Scenes From Italian
Restaurant」。 懐かしくて,涙が出そうになりました。 テンポが曲の途中で次々に変わっていくこの曲,サックスの持ち替えも見どころで,いよいよ最後の曲へ突入していきます。 おなじみの「Piano Man」が最後の曲(計21曲目)でした。 ハーモニカをセットし始めて「あっ,Piano Manだ。これで終わりなんだ,このライヴは」と思ってしまい,寂しい気分にもなってしまいました。 いつ聴いても,ホントにいい曲です,この曲は。 スタンド(観客席)は総立ちとなり,曲の雰囲気に身を委ねている状況が続いた。 しかし!しかしだ!! 最後のサビの部分で,観客にフレーズを振ったが,何とも寂しい限りの音量(声量)。 私の廻りでは,このフレーズを歌っているのは私と私の前の席の人だけで,他は歌っていなかった・・・。 アリーナ席でも多分ステージ正面の人たちは歌っていたんでしょう,きっと(良い席を取ろうとする人はそれなりにノリも良いはず)。 札幌はノリが悪いだとか,北海道はノリが悪いとか聞いてましたけど,本当でした。 「Piano Man」のサビくらいはみんな知っているだろうに!! ノリの悪さにがっかりしてしまいました,正直・・・。 今回のライヴの選曲は非常に面白く,アルバムごとでは以下のとおりでした(メジャーデビューから発売順で,クラシックアルバムは除く)。
1 Cold Spring Harbor(1971年) 0曲 特徴は,中期(1976年〜1980年:TurnstilesからGrass Housesまで)の4枚のアルバムで14曲(全体の実に2/3)も選曲している点である。 このことからも,今回のライヴは日本の中年層(30代後半から50代まで)に非常に受ける内容であったと言えるのではないか。 普段ライヴで選曲されるもので,今回選曲から漏れた曲は以下のとおり。 1 Cold Spring Harbor「She’s
Got A Way」
なお,最後に改めて当日の曲目は以下のとおり(カッコ内はアルバム名を示す)です。 コンサート会場で,必死にメモ録りをした成果です!
1 Prelude/Angry Young Man (Turnstiles)
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